【事例紹介】小さなところからDX化(アプリ付)

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庁内でDXを進める!と聞くと、大きなシステム導入や業務全体の見直しを思い浮かべる方も多いかもしれません。
ただ、実際にはそうした大きな取り組みの前に、日々の業務の中にある「少し手間がかかる作業」「毎回悩みながら対応している作業」を見直すことがとても大切です。

今回は、人事課からの相談をきっかけに、AIアプリを活用して職員のグループ分けを行う仕組みを作成した事例をご紹介します。

人事課からの相談

今回相談を受けたのは、研修や懇談会で使用するグループ分けについてでした。

職員のグループ分けは、一見すると単純な作業に見えますが、実際にはさまざまな条件を考慮する必要があります。
たとえば、採用区分ごとの組み合わせ、男女比のバランス、職種の偏り、班ごとの人数調整など、複数の条件を同時に満たしながら振り分ける必要があります。

さらに今回は、

  • 研修用グループ
  • 懇談会用グループ

の2種類を作成する必要があり、それぞれで条件も異なっていました。
手作業で対応しようとすると、表計算ソフトとにらめっこしながら何度も調整が必要になり、かなりの時間と負担がかかります。

こうした背景から、AIを活用してグループ分けを自動化できないか、という相談を受けました。

実際に作成したAIアプリ

今回作成したのは、Difyのワークフローを使ったグループ分けアプリです。

このアプリでは、職員情報をTSV形式で入力することで、条件に沿ったグループ分けを自動で行えるようにしました。

入力するデータは以下のようなものです。

  • 職員ID
  • 採用区分
  • 職種
  • 性別

これらの情報をもとに、あらかじめ設定した条件に従って、研修用グループと懇談会用グループを作成します。

アプリのポイント

今回のアプリでは、単純に人数を均等に割るのではなく、実務上必要な条件を考慮できるようにしています。

たとえば研修グループ分けでは、

  • 各グループを7名とする
  • 採用区分A~D、Gを15班に分ける
  • 採用区分E、Fを5班に分ける
  • 男女比のバランスをできるだけ整える
  • 採用区分の中で職種も偏らないようにする

といった条件を反映しています。

また、懇談会グループ分けでは、採用区分ごとに班数や定員が異なるため、さらに細かな条件設定が必要でした。
そのため、こちらも同様に条件を整理し、ワークフロー上で処理できる形に落とし込んでいます。

加えて、研修グループと懇談会グループで、できるだけ同じ顔ぶれにならないよう配慮する仕組みも入れています。
こうした調整は人が手作業で行うと非常に大変ですが、ルールを明確にしてアプリ化することで、作業負担を大きく減らすことができます。

出力形式について

出力はCSV形式としており、職員ごとに

  • 研修グループ番号
  • 懇談会グループ番号

を付与した一覧を出せるようにしています。

これにより、作成後の確認や共有もしやすく、既存の業務フローにも組み込みやすい形になっています。

アプリファイルについて

今回作成したDifyワークフローのDSLファイルはこちらです。

アプリファイル(DifyワークフローDSL)

Difyにインポートすることで、同様のワークフローをベースに調整・活用できます。LLMベースではなく、Pythonでの機械処理なので言語モデルなしですぐに利用可能です。

小さなところから始めるDXの大切さ

DXというと、どうしても大きな改革や大規模なシステム導入をイメージしがちです。
しかし、実際には今回のような「グループ分け作業の効率化」のように、身近で具体的な業務課題から着手することが、DXを進めるうえでとても重要だと感じています。

日々の業務の中には、手間がかかっているけれど、なんとなくそのまま続けている作業が少なくありません。
そうした小さな課題を一つずつ見つけて、整理し、デジタルやAIの力で改善していくことが、結果として大きな変化につながっていきます。

いきなりすべてをDX化しようとすると、どうしてもハードルが高くなります。
だからこそ、まずは小さなところから始めること。
それが、DX化の第一歩なのだと思います。