My WordPressについて~通常のWordPressとの違い~

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2026年3月、WordPress公式は my.WordPress.net を発表しました。

これは、ブラウザの中でWordPressを動かせる新しい環境で、サインアップ不要ですぐに使い始められるのが特徴です。(通常のWordPressは、サーバーやドメインを用意して公開サイトとして運用していくのが基本です。)

これだけ読んでも「My WordPressって何?」と思った方もいるかもしれません。
一見すると普通のWordPressと同じように見えますが、実は役割や使い方には大きな違いがあります。

この記事では、my WordPressと通常のWordPressの違いをわかりやすく整理しながら、my WordPressはどのような用途で活用できるのかを解説します。

my WordPressはこちら(無料です):https://my.wordpress.net/

my WordPressとは何か

my WordPressとして話題になっているのは、WordPress公式が公開した my.WordPress.net のことです。
これは、WordPressをブラウザ内で動かせる個人向けの環境で、わざわざサーバーを契約したり、WordPressをインストールしたりしなくても、その場ですぐに触り始めることができます。

しかも、通常のWebサービスのようにアカウント登録をしなくても利用できるため、「とりあえず試してみたい」という人にとってかなりハードルが低い仕組みになっています。
WordPress公式の案内では、データはブラウザ内に保存され、初期ストレージは約100MB、さらに環境は端末ごとに分かれる設計になっています。

つまりmy WordPressは、公開サイト用の本番環境というより、個人用のWordPress作業スペースとして考えるとわかりやすいです。

通常のWordPressとの大きな違い

通常のWordPressは、ブログや企業サイト、採用サイト、サービスサイトなど、外部に公開するWebサイトを作るためのCMSです。
そのため、運用するにはサーバー、独自ドメイン、SSL、データベースなどが必要になります。WordPress公式でも、PHP 8.3以上、MySQL 8.0以上またはMariaDB 10.6以上、HTTPS対応を推奨要件として案内しています。

一方でmy WordPressは、公開用サイトとして使う前提ではありません。
WordPress公式も、my.WordPress.netは既定で非公開であり、一般公開サイトのようにトラフィック獲得や検索エンジンからの発見を目的とした設計ではないと説明しています。

この違いをシンプルに言うと、通常のWordPressは「公開して運用するためのWordPress」、my WordPressは「試す・作る・下書きするためのWordPress」です。

my WordPressが向いている用途

my WordPressの魅力は、気軽に始められることです。
その特性を考えると、特に向いている用途はかなりはっきりしています。

まず1つ目は、WordPressの学習用です。
これからWordPressを触ってみたい人にとって、いきなりサーバー契約や初期設定を行うのは負担が大きいものです。my WordPressなら、そうした準備なしで管理画面やエディタを体験できるため、学習用として非常に使いやすいです。

2つ目は、テーマやブロックエディタの検証用です。
最近のWordPressでは、ブロックテーマを使うことでSite Editorからヘッダーやフッター、テンプレート全体を編集できます。そうした編集やレイアウト確認を、いきなり本番サイトで試すのは不安があるものですが、my WordPressなら気軽に試せます。

3つ目は、記事の下書きや構成確認です。
たとえば、ブログ記事の見出し構成を作ったり、画像やブロックの並び方を確認したり、投稿の見え方を仮で確認したりする用途にも向いています。実際に公開する前の“試作版”として使えるのは大きなメリットです。

4つ目は、クライアント提案前の簡易モック制作です。
ざっくりとしたページ構成や雰囲気を見せたいときに、ゼロからローカル環境を作るよりも、my WordPress上で試作する方が早いケースがあります。完全な本番構築ではなく、「方向性の確認」を目的とした使い方と相性が良いです。

my WordPressが向いていない用途

便利なmy WordPressですが、何にでも使えるわけではありません。
特に向いていないのは、公開運用が前提のサイトです。

例えば、SEOで集客したいブログ、問い合わせを受けたい企業サイト、検索流入を狙うメディア、会員機能や決済機能を含むサイトなどは、通常のWordPressで構築した方がよいです。
my WordPressはブラウザ内保存であり、端末ごとに環境が分かれるため、継続運用や本番公開には不向きです。

また、ブラウザの保存領域に依存する以上、データ管理にも注意が必要です。
WordPress Playgroundのガイドでは、ZIP形式でエクスポート・インポートできることが案内されており、継続して使う場合は定期的なバックアップが推奨されます。

公開サイトを作るなら通常のWordPressが必要

もし目的が「ホームページを公開したい」「ブログを育てたい」「問い合わせを増やしたい」なのであれば、選ぶべきは通常のWordPressです。

通常のWordPressでは、サーバーやドメインの準備が必要になる一方で、SEO、アクセス解析、バックアップ、セキュリティ対策などを含めた本格的なサイト運用ができます。WordPress日本語サポートでも、WordPressは検索エンジンと相性がよい一方、テーマやカスタマイズ次第で結果が変わることが説明されています。

さらに、公開サイトを安定して運用するには、バックアップ、スパム対策、計測、メール到達性、表示速度対策なども重要です。
UpdraftPlus、Akismet、Site Kit、WP Mail SMTP、LiteSpeed Cacheなどは、そのための代表的な選択肢としてよく使われています。

つまり通常のWordPressは、単にサイトを作るだけでなく、公開後に育てていくためのWordPressとも言えます。

my WordPressと通常のWordPressは、競合ではなく使い分けるもの

ここで大事なのは、my WordPressと通常のWordPressは、どちらが上か下かという関係ではないことです。
役割が違うので、競合ではなく使い分けるものです。

例えば、
まずmy WordPressで記事構成やページの試作をしてみる。
その後、本番公開が必要になったら通常のWordPressで正式に構築する。
こうした流れはかなり合理的です。

特に、WordPress初心者や、制作前に一度試してみたい人にとっては、my WordPressは入り口として非常に優秀です。
一方で、ビジネス利用や集客、問い合わせ獲得まで視野に入れるなら、通常のWordPressが必要になります。

まとめ

my WordPressは、WordPress公式が提供する、ブラウザ内で使える新しいWordPress環境です。
サインアップ不要で始められ、学習、検証、下書き、試作といった用途に向いています。

一方で、通常のWordPressは、公開サイトを作り、育て、運用していくための仕組みです。
SEOやセキュリティ、バックアップ、表示速度対策まで含めて、本番サイトとしての設計ができます。

つまり、
my WordPressは「試すためのWordPress」
通常のWordPressは「公開して運用するためのWordPress」
と考えると、とてもわかりやすいです。

これからWordPressを始めたい方は、まずmy WordPressで触ってみる。
そして、本格的にサイトを公開したくなったら通常のWordPressへ進む。
この流れは、これからのWordPress活用のひとつの自然な形になりそうです。

クライアントのテストサイトをこれで作れれば楽かなーと思いましたが、私にとってはこの機能は使え無さそうなので、使う予定はなさそうです・・・w